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2020-05-15

Plugin Alliance が AMEK EQ 200 を発表

Plugin Alliance が AMEK EQ 200 を発表しました。

Plugin Alliance AMEK EQ 200

GMLやSontecなどのブランドの、70年代/80年代の有名なパラメトリックEQの再現が試みられています。

発売は、2020年5月19日。

macOS、Windows対応。VST、VST3、AAX、AU対応です。

Plugin Alliance AMEK EQ 200

各チャネル、最大15 dBブースト/カット。実機と同様にQ幅は0.4〜4まで。シェルビングがあります。(後述)

独自機能として

ハイパスフィルター/ローパスフィルターが追加されています。(12dB/oct)

他、Brainworx製品によく搭載されているおなじみの機能が追加されています。

・5つあるパラメトリックバンド毎に、個別に試聴できるオートリッスン機能

・可変THD付加機能

・M/S処理の機能
(ステレオ幅のコントロール、バランスメーター、モノメーカー※低域をモノにする)

・アウトボードのチャネル間の変動をシミュレーションするBrainworx Tolerance Modeling Technology(TMT)※左右差を出す機能

GML8200について

元とされているGML 8200は定番EQで、私も長年愛用して重宝させて頂いております。非常に優れたEQで使い勝手も良いこのEQを以下に解説させて頂きます。

George Massenburg

パラメトリックEQの生みの親である、偉大なマスターGeorge MassenburgによるブランドGML。

George Massenburgは敢えて、パラメトリックEQの特許を取らなかったことで、普及し、広く世界中の人々がパラメトリックEQを簡単に使用できる様になりました。

エンジニア/オーディオ業界の天才でありレジェンドのGeorge Massenburg。

15歳から電子工学研究所とレコーディングスタジオで働きながら、大学では電気工学を専攻し、本業が忙しくなり二年で中退。

エンジニアとしても、Earth、Wind&Fire、Linda Ronstadt、Herbie Hancock、The Emotions、Frank Sinatra、Little Feat、Phil Collins、TOTO、Tower of Power、Weather Reportと世界的なヒット曲から高い水準が求められるアコースティックな音源まで様々な制作で第一線で活躍。開発者、メーカーオーナーとして超一流なだけでなく、エンジニアとしても超一流で、これほど理論と開発、実践を兼ね備えた人物は他に類を見ません。

ITI/SONTEC

まず、マスタリングEQで有名なITI、SONTECというブランドで、これもまたレジェンドであるBurgess Macnealと共に、パラメトリックEQを発売。

SONTECは世界中のマスタリングスタジオで使用されています。色々なバージョンがありますが、ITI ME-230やSONTEC MES-432cが有名ではないでしょうか?SONTEC MES-432は、リビジョンがDまで出ています。
(昨今、IK MultimediaやAcusticaからプラグインとして再現が試みられています。中々出来が良く自分でも使用しています。)

Sontec EQを最初に購入したのは、マスタリングスタジオのSterling Soundでその後も今でも使われています。(専属のエンジニアが常時メンテしてベストコンディションを保っています。)

GML

1982年に、GML(George Massenburg Labs)を設立。オートメーションシステム、コンソール、プリアンプ、EQ、コンプレッサーなどを発表。

EQとしては、主にマスタリングなどで使用されるGML 9500、GML8200を発売しています。

GML 8200は5バンドあり、各バンド15dBブーストカットできます。Q幅は0.4〜4まで。LOWバンド(最低域側)とHIHGバンド(最高域側)は、Q幅のツマミを一番左にカチッと鳴るまで回すと、シェルビングモードに変わります。

同時には使えませんが、実質7バンドある様な感じですね。(プラグイン化されたものが7バンドとアナウンスされているのは為でしょうか。)

実は部品などの入れ替わりが激しく、性能と品質の維持が難しいレコーディング機器の供給において、GMLは約40年もの間一定のクオリティを保った製品を供給し続けています。これはGeorge Massenburg本人が、常に同じ水準を維持できるよう努めてきたからこそ実現しています。

※GML設立の経緯は、どなたかが字幕をつけて下さっている動画がありましたので、こちらの動画を参考にしてみて頂ければ分かりやすいかと思います。

参考動画:
プロオーディオの歴史とGML設立の経緯
https://youtu.be/HK8-QIXQscY

元祖パラメトリックEQを介してGML8200が出来るまで
https://youtu.be/CyVLExUgHjA

ちなみに、EQがマスタリングで如何に大切か?同じラウドネス値のままで、音の量感、音圧感を増すにはEQが肝であることは、中々上手く説明されている機会が少ないのですが、とても重要です。
私は海外案件を多く手掛けさせて頂いているので、これは良く実感する部分です。

Twitterで知り合った子に教えて頂いた良い記事がありましたので、こちらも参考にご紹介します。
参考ブログ:
世界はeqマスタリングが最先端
https://www.for-artist.com/blog/column/世界はeqマスタリングが最先端/

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